航空便の運休
訃報を聞いてすぐに飛行機を調べると、翌日の夜の便で2日後の昼に到着する便がありました。時差の影響で、この時点でお通夜に出られないことが確定。お葬式もギリギリ間に合うかどうかという状況でした。私の実家は地方です。公共交通機関の利用が禁じられているため、東京で入国してしまうと国内線への乗り換えができません。そこで近隣国で乗り換えて、地元の空港に直接入国しようと考えました。ところが、航空会社のコールセンターに問い合わせると「日本で緊急事態宣言が出ているためその便は運休になっています」と言われてしまいました。
陰性照明
現在海外から入国する全ての人に出国前72時間以内の検査証明書の提出が義務付けられています。かかりつけの病院には日本人ドクターもいるため、大使館ホームページで取得した陰性証明書の記入をお願いできないか連絡しました。すると「無症状の患者の検査は受け付けていない」との返答。飛行機の予約も検査証明の取得もめどが立たず、この時点でかなり焦りはじめました。
空港からの移動手段
地元空港から実家までの移動手段も問題でした。公共交通機関の利用禁止で、電車もバスもタクシーも使えないのです。私は運転免許を持たず、迎えを頼める親族もいません。関東では帰国者専用のハイヤーが何社か出ているようですが、地方の空港周辺ではなかなか見つかりませんでした。
2週間の自己隔離
それでもなんとか帰省しようと考えていましたが、調べていくうちに実家での2週間の自己隔離も心配になりました。大使館からは「別室にこもり、ご自身もご家族もマスクを着用してください」と指示されました。でも、もしも空港や飛行機で感染し、誰かにうつしてしまったら…そう考えると、慌てて帰省して葬儀に参列すること自体、周囲にとってはリスクになり得るのだと感じました。現に、帰国してすぐ葬儀に参列することは、自主隔離の要請を無視することになります。ここでついに、お葬式に出ることを諦める、このタイミングでの帰国をやめようという判断に至りました。