スペインで妊娠・出産④いよいよ出産!海外出産&無痛分娩レポ

スペイン人と結婚し、マドリードで妊娠・出産を経験しました。当日の無痛分娩レポ、海外出産を振り返って感じたことなどを紹介します。

出産に向けて

正産期に入る頃、出産のイメトレを始めました。病院主催の両親学級にも参加しましたが、YouTubeで見た日本人の出産レポ出産への心構えの動画が特に役に立ちました。初産は長丁場の戦いになること、お産は一人ひとり異なり何でも起こりうることなどを知り、来るなら来い…!という心構えができました。

また、乳頭マッサージ会陰マッサージに加え(会陰マッサージ用オイルは⇒こちら)、早く産みたい一心で毎日ウォーキングもしていました。予定日より随分早く産まれそうな気がしていましたが、結局予定日2日前の出産となりました。

無痛分娩

スペインでは一般的な無痛分娩を選択しました。日本で言う計画無痛ではなく、陣痛間隔が狭まってきてから病院に行き、麻酔を入れるスタイルです。前もって35週に麻酔科で心電図や血圧のチェックを受け、「半身が効きにくいかも」と言われたため、かなり心配していました。

出産レポ

生産期に入ってから、これは前駆陣痛では?と不規則な痛みを感じ→今晩こそ…!と身構え→結局そのまま朝になる、という日が続きました。こむら返り、全身の浮腫み、頻尿、食後の激しめの胎動…最後の数週間が辛くて、もう本当に早く産みたかったです。しかしそのまま予定日が近づき、39週3日の内診でやっと「子宮口1㎝」と告げられました。その日の夕方おしるしが来て、39週5日の早朝に破水。日本のように電話で産院に問い合わせる必要がないので、午前2時に夫の車でurgenciaへ向かいました。

  • 午前3時ごろ urgenciaで破水を確認→入院。一晩陣痛が強まるのを待つことに。
  • 午前8時半ごろ 分娩室へ移動。夫も手術衣に。子宮口はまだ2㎝のまま。
  • 午前10時ごろ 誘発剤を入れると、1時間ほどで9㎝まで開き、一気に陣痛が来はじめて麻酔を入れてもらう。
  • 午前11時ごろ モニターを見ながら陣痛の波に合わせていきみタイム。なかなか頭が出ない!…そのまま4時間経過し、吸引分娩
  • 午後3時ごろ出産、そのまま2時間ほどカンガルーケア

個人的には背中の麻酔の処理が予想以上に痛かったので、そこが一番の山場でした。陣痛の合間に助産師さんに両脇から押さえつけられカテーテルを入れました。また、いきみタイムが思った以上に長引き、麻酔のおかげで痛みはないものの、中からメリメリ押される感覚にこっちも必死でいきみ続けました。結果頭に血が上り、試合後のボクサーのように両目が充血して瞼が腫れあがりました。最後はラスボスのような先生がぞろぞろと看護師さんを連れてきて、吸引分娩であっけなくわが子が誕生しました。

まだ全裸でもぬけの殻状態だったカンガルーケア中に義両親が来たのも衝撃でした。これについては夫に「退院までお見舞いなしにしてほしい」と事前に頼んでいたので、見事に不意打ちをくらい完全にトラウマになりました。スペインではフレンドリーなお国柄もあり、産後義両親との距離の近さに戸惑うママ達も多いようで、完全に私もその一人となりました。

産後の入院期間

私の産院では、出産日当日の夜から父母子同室でした。日本のように赤ちゃんを預かってもらえないので、基本的にずーっと家族3人です。出産当日は自分だけ産後ハイになって眠れず、夫と生まれたての赤ちゃんは疲れ果てて爆睡でした。しかし翌日の夜は、3時間おきと言わず何度も何度も泣く新生児に夫と2人でオロオロし、あっという間に翌々日には退院でした。

日本で出産した友人からは短いと言われますが、我が家は夫婦そろって早く退院したかったです。というのも、授乳指導がほぼなかったことが不満でした。必死に3時間おきを続けていたものの、母乳がちゃんと出ているのか、足りているのか全然分からずとても不安でした。何度も助産師さんに尋ねましたが、どの助産師さんも「ちゃんと3時間おきしてる?!」と強めに聞いてくるので心が折れました。退院後も出産経験のある友人にたくさん助言を受けながら何とかペースがつかめてきましたが、私は「新生児育児で何が大変だったか」と尋ねられれば迷わず「授乳」と答えます。

海外出産をしてよかったこと

大変なこともあったけれど、総合的に考えるとスペインで出産をしてよかったなと感じています。一番の理由は夫が父親になる準備ができたことです。日本に里帰り出産をしていたら、たとえ出産時のみ来日して夫が立ち会ったとしても、妊娠中のマイナートラブル、新生児育児の大変さを同じように分かち合えたとは思いません。妊婦検診、赤ちゃんの定期健診など、全てパパも参加して当たり前というスペインの風潮が本当にありがたかったです。立ち合い出産のみでなく、父母子同室の入院期間も私達夫婦にとってとてもいい経験になりました。育休も4か月とかなり優遇されます。また、無痛分娩が無料でできたことも大きかったです。私はもし2回目の出産があるならば、日本でお金を払っても無痛を選択します。それくらい、出産時の痛みを和らげることができて良かったと感じています。

手をつなぐ夫婦と子供靴

今回は初めての妊娠・出産を振り返って、無痛分娩での出産レポや海外出産をしてよかったことを書き留めてみました。日が経つことに妊娠時のことも、出産時のことも徐々に記憶が薄れていくので驚いています。それくらい育児が始まってからの、赤ちゃんとの一日一日が濃いものだからかもしれません。

 

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