アメリカの飲酒運転事情~基準値や罰則、ビザへの影響は?~

 先日知人と出かけたときのこと。車を出してくれた知人が、目の前でビールを飲んだことに衝撃を受けました。え、私たちこの後あなたの車で送ってもらうはず…。ところが、アメリカ在住の日本人の友人にこの話をしたところ「うちの旦那も1杯くらいならしょっちゅう飲んで運転してるよ」と言われ、さらに驚きました。そこでアメリカの飲酒運転事情について調べてみました。

アメリカの飲酒運転

 酒気帯び運転はアメリカではDUI(Driving Under Influence)と言われ、刑事法違反で捕まりほとんどの場合軽犯罪との判決が出るそうです。4回以上やっちゃうと重犯罪。ザ・日本人的思考の私は、1回でも十分あり得ないと思うのですが…。

雨の日の窓越しのライト

DUIの基準値

 日本よりゆる~い考えの人が多いのは、違法となるアルコール基準値が日本と異なるからです。ここカリフォルニアでは、21歳以上で血中アルコール濃度0.08%以上が飲酒運転とみなされます。

 日本では、呼気1リットルあたりのアルコール量0.15㎎で酒気帯び運転です。これは血中アルコール濃度に換算すると約0.03%。おおまかにいうと、日本では缶ビール一本でもアウトになる可能性が高いです。

バーで飲み物を注ぐ

 それを考えると、やはりアメリカの血中アルコール濃度0.08%はかなりゆるいです。私の知人のように、「1杯くらい飲んでも何も問題ない」という人が多いのはそのせい。とはいえ、こんなデータもあります。

ほろ酔い期(血中アルコール濃度0.05%以上)で運転事故の可能性は2倍になります。

                   —公益社団法人 アルコール健康医学協会

 基準値の0.08%に引っかからなかったとしても、やっぱりリスクは高くなります。お酒を飲めば事故を起こす可能性が増すのです。

DUIで捕まると

 では、この基準値を超えるとどうなるか。アメリカでは現行犯逮捕され、留置所へ送られます。交通法違反ではなく刑事法違反なので、減点とかいう問題ではすまず、弁護士をつけて裁判になります。カリフォルニアであれば、半年間の免許停止(初犯の場合)、弁護士費用に加えて$390-1000の罰金更生プログラムや奉仕活動への参加などが科されます。パトカー

飲酒運転はビザに影響

 日本人の私達が、旅行中やアメリカ居住中にしでかしてしまうとどうなるのでしょう。一先ず短期滞在のためのESTAはとれなくなりますビザは取り消されグリーンカード(永住権)の申請にも影響してくるようです。アメリカ大使館にビザ申請に行った際、待合室で「ビザ取り消しの一番の要因が飲酒運転です。気をつけてください」という内容の映像が流れていました。「現地の人も平気だから」と流されると、異国の地でいとも簡単に逮捕されてしまう可能性があるのです。

パスポート

飲んだら乗らない

 あの日目の前で飲酒運転をした知人は2児のパパです。奥さんも「1杯くらい水と変わらないわ」と、隣で楽しくマルガリータを飲でました。正直、ひきました。もしも子ども達を乗せて事故を起こしたら、同じ言葉を言えるでしょうか。そもそも、人によって考え方が異なる飲酒運転を、友人を乗せるときに平気でしちゃうんだなぁ…と何だかショックでした。飲みに出かける際は友人の送迎は断り、Uberなどを使った方が賢明です。

バックミラー越しの事故

 よかったなと思うのは私と夫の飲酒運転に関する意見が一致していること。例えアメリカ生活に慣れて「1杯くらい大丈夫」と言い出しても、断じて私が許しません。アメリカのDUI事情、慣れる日はこなさそうです。
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