アメリカ行きを決心
スペイン人の夫との国際結婚のため、スペイン大使館にようやく全ての書類を提出しました。数日たっても音沙汰がないのでメールで問い合わせたところ、「面接は早くても1か月半後」と言われました。仕事も辞めて実家で待ちぼうけをくらっていた私は、この間に一先ずアメリカに行くことを決心しました。全ての準備が整ってから、夫と2人で帰国し、日本で婚姻届を出す計画です。
自分ルール『主婦の掟』
とはいっても、専業主婦という立場を初めて経験します。しかも海外で。ちょっとした不安感もありました。出発前日、自分ルール『主婦の掟』を決めました。
その一 目を見て感謝
夫のキャリアアップのため、就労資格がないことを受け入れてアメリカに行きます。夫には、「結婚するんだし、生活費は全て自分が負担するから、これまでの貯金は切り崩さないで」と言われていました。とはいえ、これまでの人生で、親以外の人間に経済的に頼ったことはありません。夫が働いている間、夫が稼いだお金で家にいることに、後ろめたい気持ちになりそうな予感がしました。だから、お金を払ってもらうことに慣れないように、甘えないように、せめて「ありがとう」や「ごちそうさま」など、感謝の言葉はしっかり言おうと心に決めました。
その二 自分で自分につっこむ
正直一番懸念していたのは、私自身がアメリカで働けないことでした。外に出て体を動かし、人と関わりながら働いて、自立した女性でいたいのがそれまでの私。それまでずっとTrabajadora(働き者)で生きてきました。数日の連休でさえ、家でごろごろしていると自分がダメになっていく気がする性分で、将来も当然共働きをするものと思っていました。そんな私が、専業主婦。でも、仕事を辞めたのも、専業主婦になるのも、自分で決めたことです。文句を言ってもどうにもなりません。マイナス思考になりそうになったら、「じゃ帰れ」と自分で自分につっこもうと決心しました。
その三 イライラしたら寿限無
夫と私は日本で同棲中、月2ペースで口喧嘩になっていました。後から考えるとどうでもいいことですが、同い年の私たちはヒートアップすると収拾がつかなくなります。アメリカに、喧嘩をしに行くわけじゃないし、喧嘩はできるだけ避けたいと強く思いました。ちょうど「声に出して読みたい日本語」にはまっていた私が思いついた変な秘策。「寿限無寿限無ごこうのすりきれ…」と夫にイライラしだしたら、心を無にしようと決めました。変人かと思われるかもしれませんが、軽度の言い争いであればこれが結構効きます。
異国の地で主婦になる
アメリカに行くのは、とにかく物理的に一緒にいるため。それから、夫が仕事に集中できるよう、家のことを私が担うため。あと、これから先どう生きていくか一緒に模索したいです。
そのために、時間を有効活用して、良き妻を目指したい。料理も掃除も、子どもが生まれたら子育ても。できたらお小遣い程度は、場所を選ばず稼げるようになりたいし、自分でメンタルヘルスを保って、笑顔で穏やかな妻でいたい。あとは、健康的で美しい心身、お金の管理ができる賢さ、外国語を使いこなす社交性…理想を述べると止まらないのですが…。とにかく、どうせ行くなら、自分も磨こう‼という意気込みで飛行機に乗りました。